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【保存版】Stable DiffusionマルチGPU完全攻略|グラボ2枚構成で生成爆速&効率化!

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Stable Diffusionで「生成に時間がかかる」「高解像度やControlNetが重い」と悩んだことはありませんか?

私もRTX 4070Tiを使っていて、モデル学習やバッチ生成時に処理が重すぎて、思わずグラボを2枚に増設しました。

ただし、結論から言うと、「ただ2枚挿すだけ」では意味がありません。

Stable Diffusionのmulti GPU設定には、明確なメリットと、ちょっとした“落とし穴”があるんです。

この記事では、以下を徹底的に解説します。

  • グラボ2枚構成の本当の効果と意味がある場面
  • 初心者向けの設定方法(WebUI/DDP)
  • VRAMの誤解・SLIとの違いなどFAQ
  • 導入に向いてる人・向いてない人

目次

1. Stable Diffusionにグラボ2枚は意味ある?【結論】

結論から言えば、Stable Diffusionでグラボ2枚構成が意味を持つかどうかは、「目的」と「設定」によって大きく変わります

単純な画像生成だけなら、正直1枚のGPUで十分。

ですが、以下のような“高度な用途”においては、明確なメリットがあります

LoRAやDreamBoothなどモデル学習(DDP対応)

モデル学習は膨大なステップ数とメモリ消費がかかります。PyTorchのDistributed Data Parallel(DDP)を使えば、処理を2枚のGPUに分散可能。結果として、学習時間を40〜60%短縮できることもあります。

複数画像を同時生成する“バッチ処理”

例えばプロンプトAとプロンプトBをそれぞれ別のGPUで処理すれば、時間あたりの画像生成枚数が倍近くに増加。「仕事で大量生成したい」人にとっては大きな時短になります。

生成とアップスケーラ処理(ESRGAN等)を別GPUで担当

画像生成とControlNet処理や高解像度化(アップスケーリング)は、それぞれ計算負荷が異なります。役割を2枚のGPUで“分担”することで、待ち時間を圧縮できます。

つまり、「単に速くなる」というよりは、タスクごとの最適化が可能になる

これがStable Diffusionにおけるグラボ2枚構成の本当の強みなのです。

2. 【用途別】グラボ2枚が“意味ある”ケース・意味ないケース

Stable Diffusionでグラフィックボードを複数枚使う価値があるかどうかは、「何をしたいか」で大きく分かれます。

ここでは代表的な“意味ある/ない”パターンを紹介します。

意味がある場面

モデル学習(LoRA/DreamBooth)

LoRAやDreamBoothは、特定のスタイルや人物を学習させる処理で、数万ステップの学習と高いVRAM要求があります。

ここでPyTorchのDDP(Distributed Data Parallel)を使えば、2枚のGPUにタスクを分散でき、処理速度が飛躍的に向上します。

例:RTX 4070Ti×2でLoRA学習を実行 → 単体よりも40〜60%高速化

バッチ生成・並列処理

1プロンプトずつ待っていた処理を、同時に複数のプロンプトで実行できるのがグラボ2枚構成のメリット。

WebUI(AUTOMATIC1111)を複数起動し、それぞれ異なるGPUに割り当てれば、1枚目でプロンプトAを生成しつつ、2枚目でプロンプトBを生成という“人力パラレル”が可能になります。

役割分担(生成/ControlNet/高解像度化)

たとえば以下のように、各工程を別のGPUに割り振ることで、処理の効率化ができます。

  • GPU 0 → ControlNet・ポーズ制御
  • GPU 1 → 超解像(ESRGAN、R-ESRGAN)

こうしたタスク分散により、Stable Diffusion全体のレスポンスが向上します。

意味がない場面

通常の画像生成1枚のみ

Stable Diffusionは本来シングルGPU用に設計されており、特別な設定なしでは片方のGPUしか使いません

画像1枚を生成するだけなら、どんなに高性能な2枚構成でも片方は遊んでしまうのが実情です。

VRAMを“合算”したいだけの人

「RTX 4070Ti(12GB)を2枚挿せば24GB VRAMになる!」と思っているなら要注意。

stable DiffusionではGPUごとにVRAMは完全に独立して扱われ合算されることはありません

同一タスクでVRAMを跨いで使いたいなら、NVIDIA Aシリーズ+NVLinkレベルの構成が必要ですが、それもStable Diffusionでは非対応です。

設定をしない or SLIで使いたい人

「SLIブリッジつなげば連携できるのでは?」という誤解もよくありますが、Stable DiffusionはSLI非対応です。

複数GPUを有効に活用するには、PyTorchベースの分散処理設定や、WebUIレベルの手動指定が前提になります。

3. Stable DiffusionマルチGPUの設定方法3選【初心者〜中級者向け】

マルチGPU構成は、ただ挿すだけでは効果を発揮しません。

使いこなすには“適切な設定”が必要です
ここでは、Stable Diffusion環境でGPUを2枚しっかり活用する方法を3つ紹介します。

方法① WebUI起動時にGPUを個別指定

最も手軽な方法がこれ。AUTOMATIC1111の起動コマンドに --device-id を追加するだけで、使用するGPUを選べます。

# GPU0で起動
python launch.py --device-id 0

# GPU1で起動
python launch.py --device-id 1

これにより、異なるGPUでUIを複数起動→並列処理が可能になります。

  • UIを複数ポートで起動すれば、片方でプロンプトA、もう片方でプロンプトBの画像生成などが実現可能
  • 生成とControlNet、高解像度化などの処理を役割分担する運用もおすすめ

方法② accelerate でDDP学習(LoRA/DreamBooth)

モデル学習で本気を出したい人向け。


accelerate を使えば、PyTorchベースのDDP(Distributed Data Parallel)機能で複数GPUを同時に使って学習できます。

# 初回のみ環境設定
accelerate config

# 2枚のGPUで学習開始
accelerate launch --multi_gpu --num_processes=2 train.py
  • 特にLoRAやDreamBoothのようにステップ数が多く、VRAMも消費する学習で真価を発揮
  • GPUごとに異なるデータを割り当てることで、VRAM負荷も分散され、熱と消費電力の効率も改善

DDPの使い方は Hugging Face Accelerate の公式ドキュメントも参考に!

方法③ タスクごとにGPUを“役割分担”

最も柔軟性のある使い方がこのスタイル。
画像生成・ControlNet・アップスケーラ処理を別々のGPUに振り分けることで、並列処理のように動作させられます。

  • GPU0 → 画像生成 + ControlNet
  • GPU1 → 超解像(ESRGANやLatent Upscalerなど)

複数UIを起動する or 拡張機能(ControlNet・アップスケーラ)で明示的に処理ごとにGPUを指定すればOKです。

・ 実務でも多い「生成→高解像化→保存」のワークフローにぴったり
・ GPUが遊ばずフル稼働し、全体の処理待ち時間が短縮

4. グラボ2枚構成の注意点【失敗しないための必読ポイント】

Stable DiffusionをマルチGPUで快適に使うには、“ハード面”の準備も超重要です。

項目注意点
電源RTX4000番台×2の場合、1000W〜1200Wの電源ユニットが必須級。80Plus GOLD以上推奨。安物は絶対NG。
冷却空冷ファン2枚は熱だれ&高温でパフォーマンス低下のリスク簡易水冷 or 高通気ケース推奨。
ケース2スロット占有×2で大型ケースがほぼ必須。ミドルタワー以上が望ましい。マザーボードもx16スロットが2つ必要。
接続PCIe x16スロットが2本必要+スペースが干渉しない設計であること。mini-ITXは基本不可。

補足:使用していない側のGPUも熱と電力を消費します
→「使わないときは自動でスリープする」とは限らないので、用途ごとに起動・停止をコントロールしましょう。

次の章では、「どんな人が2枚構成に向いているか/向いていないか」を実体験ベースでお伝えします。

5. グラボ2枚構成が向いている人・向いていない人【Stable Diffusion用途別】

Stable Diffusionで「グラボ2枚が向いている人」

タイプ理由とおすすめ構成
モデル学習(LoRA/DreamBooth)を本格的にやる人accelerateでマルチGPU学習。学習時間を約50%カット可能。
高解像度+ControlNetを多用する人各処理を別GPUに割り当てて待ち時間を大幅短縮。
商用・大量生成を行うユーザー複数UI起動でバッチ生成処理が圧倒的に効率的に。

向いていない人・注意が必要な人

タイプ注意点・理由
VRAM不足を解消したいだけの人VRAMは合算不可。VRAM目的なら上位GPU1枚の方が効果的。
設定が苦手・CLIが怖い人複雑な設定が必要。「挿すだけで速くなる」は幻想です。
電源や冷却に投資できない人RTX4000番台×2は電源1000W以上+水冷クラスが前提。

「2枚にしたのに片方全然使ってない…」という声は、設定不足 or 目的ミスマッチが原因のことが多いです!

6. よくある誤解とQ&A【Stable Diffusion マルチGPU初心者向け】

Q1. SLIやNVLinkを使えばVRAMやGPUは連携する?

A:Stable DiffusionはSLI非対応です。

  • SLIやNVLinkは、ゲームや一部のCUDAアプリ用の仕組み。
  • Stable DiffusionやPyTorchベースの処理は「DDP(分散学習)」「device指定」など別アプローチが必要。

Q2. RTX 4070Ti ×2構成はアリ?

A:構成としてはアリですが、使い方によります。

  • VRAM合算不可なので、1プロセスあたり12GB制限のまま。
  • DDPや並列UI起動の設定ができるなら爆速になります!
  • 注意:電源は1000W必須クラス。電力制限して運用している人も。

Q3. 2枚のグラボってめっちゃ熱くなる?騒音も?

A:YES。冷却設計が不十分だとかなり厳しいです。

  • 空冷2スロット式×2枚は、夏場はサウナ状態に…。
  • 騒音も2倍、電力も2倍、熱も2倍と考えるのがリアル。
  • 対策:
    • 大型エアフローケース
    • 簡易水冷 or 高性能空冷(Noctuaなど)
    • ファン制御ソフトで静音チューニング

7. 実運用して気づいた「現実的な限界」

筆者自身、RTX 3080+RTX 4070Tiという2枚構成で実際にStable Diffusionを使ってきた経験から、以下のような「理想と現実のギャップ」がありました。

2倍速にはならない

  • DDP学習でもせいぜい40~60%短縮が現実ライン
  • 通常生成では1枚のGPUしか使われないケースが多い
  • 「倍速で画像生成できる!」は誤解です

電源・熱・消費電力がえげつない

  • RTX4070Ti ×2:ピーク時で750W〜850W消費
  • 1000W電源+高効率変換(80Plus Gold以上)推奨
  • 夏場は室温5℃上昇・PC落ちた…という声もよく聞きます

設定の難易度が高い

  • --device-idaccelerate 設定が必要
  • PyTorch知識がないと学習のDDPは苦戦する可能性大
  • 使いこなすにはある程度のLinux・Pythonスキルが欲しい

8. まとめ|Stable Diffusionでグラボ複数枚は“使いこなしが命”

用途・目的グラボ2枚構成の評価
画像生成だけ 無意味に近い(1枚でOK)
LoRA/DreamBooth学習 効果大(学習短縮&VRAM分散)
バッチ生成(UI同時起動) 効率UP・商用ワークフロー向け
VRAM目的 VRAMは合算不可。1枚の高VRAMモデルが正解
手間なく高速化したい人 設定ハードルあり。知識&準備が不可欠

結論|Stable Diffusionにおける「グラボ2枚構成」の真価とは?

  • 効果があるのは設定&使い方を極めた人だけ
  • 「なんとなく挿した」では性能も電気代も無駄に
  • 画像生成AIで複数GPUを活かすには、“分散処理”と“明確な目的”が必要

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しろ

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